雑記

IgA腎症とは?原因、遺伝、症状、治療、予後まとめ

IgA腎症で苦しんでいる日本人の方も多いと思い、原因や遺伝するのか、症状や治療、予後についてまとめました。管理人の近くにも、この病気で苦しんでいる人がいるのでできる限りわかりやすく説明したつもりです。

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IgA腎症とは

IgA腎症とは、血尿、たんぱく尿を特徴とする慢性腎炎症候群のひとつです。血尿とは、尿に血が出ることを指し、たんぱく尿は、本来尿にあまり出ないはずのタンパク質が尿で出てくることを指しています。

IgA腎症はその名の通りで、IgAという抗体が深くかかわっています。このIgAは本来であれば、抗体なので免疫に作用するいいものなのですが、これが腎臓に貯まると腎臓で炎症が発生し、しまいには腎炎にまで発展する病気です。

IgA腎症は経過が長くなると、腎臓の機能が落ちていき、腎不全になる病気です。IgA腎症で20年経過観察をした結果、末期腎不全に至る割合は約40%の報告もあります。

IgA腎症は1969年にフランスの病理学者ベルジュが報告した病気です。そのため、フランスではIgA腎症を「ベルジュ病」と呼んでいます。

原因は

IgA腎症の原因はわかっていません。

今までにいろんな研究はなされていますが、現在のところこれといった原因は不明です。

ただ、上でも書いた通り、IgAという抗体が腎臓に貯まって発症することがわかっています。

このIgAが腎臓に貯まる現象は、日本人の10人に1人に見られることがわかっています。

しかしそのすべてがIgA腎症になるわけではなく、IgAが腎臓に貯まっている人数十人中1~2人ほどしかこの病気を発症しません。

また、この病気は原因不明なため、国が定める指定難病にも認定されており、医療費の助成制度もあります。

 

遺伝は

遺伝は基本的にしないといわれています。

そもそもIgA腎症自体が日本人に多い病気です。ほかにも病気を発見した病理学者の出身地であるフランス、イタリア、オーストラリア等にも多く報告されています。なぜこれらの国に多いのかの理由としては、人種、遺伝子因子、環境、感染、食生活などが疑われていますが、まだわかっていないのが現状です。

 

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症状は

症状は、目に見えないくらいの血尿(顕微鏡的血尿)、たんぱく尿、血清中のIgA抗体濃度が高いこと等が挙げられます。つまり、自覚できる症状がない無症状であるといっても過言ではありません。目に見えて症状というものが見えづらい病気ということです。

また、風邪や扁桃炎等の感染症によって、血尿やたんぱく尿が悪化して発見されるケースもあります。この血尿は目に見えて赤くなりコーラのようになるともいわれます。

 

早期発見のために

症状でもわかるとおり、血液検査や尿検査でしか発見することができません。

早期発見のためには、会社や学校の健康診断や検尿を毎年必ず受けることが大切です。ここでたんぱく尿や血尿等が発見されたら放置せずにすぐに受診して精密検査を受けるようにしましょう。

私の知り合いもたんぱく尿がいつも陽性になっていたものの、小学校の頃から放置しており、社会人になって精密検査を受けたところ、かなり進行してからの発見となりました。取り返しがつかなくなる前での発見でしたが、たんぱく尿が出ておる場合には必ず検査を受けに行きましょう。

 

治療は

IgA腎症の治療は食事療法、薬物療法が中心になります。

食事療法

食事療法は基本的には、低たんぱく、減塩です。これはどの腎臓病でも同じであるといえます。

食事療法についてはまた別の記事にまとめようと思います。

薬物治療

薬物治療にもいくつか種類がありますので順番に説明していきます。

・副腎皮質ステロイド薬

 たんぱく尿が多く、血尿が多く出ている場合には、この治療を行うことが多いです。この治療は腎臓の炎症が進んだ方に使われます。IgA抗体が悪さをしていると考えられているため、IgAの働きを抑える意味で使われます。

また、ステロイド薬の特徴として、とっても苦いという特徴があります。1日おきに飲むことがほとんどですが、飲んだ直後は口に苦みがずっと残ります。

・抗血小板薬・抗凝固薬(血を固めるのを弱める薬)

 抗血小板薬・抗凝固薬とは、血が固まるのを弱める治療です。腎臓でIgAが悪さをすると、炎症が起こります。炎症が起こると炎症を止めようと血液が固まります。IgA腎症では、この血液の固まる作用が強くなりすぎ、逆に腎臓に悪影響を与えるので、これを抑える意味で、血液が固まるのを弱める薬が処方されます。

 

・免疫抑制薬

これは最初に説明したステロイド薬が効かない人に処方されます。名前の通りで、IgAをはじめとする免疫に作用する抗体働きを抑制します。この薬はステロイド薬と併用することがしばしばあります。

 

・降圧薬(血圧を下げる薬)

血圧が高いと腎臓にかかる負担が大きくなるため、血圧を下げて、腎臓への負担を減らす目的で、処方されます。

・利尿薬(尿を出すのを促進するお薬)

IgA腎症をはじめとする腎臓病では、腎臓の機能が落ちて尿の量が減ります。その結果として体に水がたまりむくみやすくなります。むくみを取る目的で利尿薬が処方されます。

・高脂血症改善薬

高脂血症とは血液がねばねばになる状態ですが、この状態になると、血液の流れが阻害され、腎臓の負担になります。これを改善するのに処方されます。

IgA腎症に使われるお薬の例

薬物治療 IgA腎症に使われるお薬の例   
副腎皮質ステロイド薬

プレドニン

症状が重い場合は、メチルプレドニゾロンを短期間で大量に点滴するパルス療法が取られることもあります。

抗血小板薬 ペルサチン、ジピリダモール、ジラゼプ塩酸塩水和物など
抗凝固薬 ワーファリン、ヘパリンなど
免疫抑制薬 ミゾリビン、シクロスポリン、タクロリムス、シクロホスファミドなど
降圧薬 アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)、カルシウム拮抗薬など
利尿薬 ラシックス、ダイアートなど
高脂血症改善薬 メバロチン、エバデールなど

 

ステロイドパルス療法+扁桃腺摘出

先にも伝えたステロイドによる薬物療法に加えて、扁桃腺も摘出する治療方法もあります。この治療は腎臓の機能が正常でも血尿やたんぱく尿が多い方、若年層で今後も腎臓の機能を長期間維持しなくてはいけない人に実施されます。最近は腎臓の機能が落ちている人にも実施されています。ちなみに管理人の知り合いも、これを実施しています。

ステロイドパルス療法とは

ステロイドパルス療法とは、点滴によって大量のステロイドを投与する治療方法で、これは、血液中にある悪さをするIgAや腎臓に貯まっているIgAを一掃することや腎臓での炎症を抑えることができます。

また、ステロイドを大量に点滴投与しますが、飲み薬のステロイド療法に比べて副作用も少ないといわれています。

扁桃腺摘出(扁摘)とは

扁桃腺摘出とは言葉の通りで、喉についている二つの扁桃腺を摘出する手術のことです。

なぜ、腎臓の病気なのに、扁桃腺を摘出するの?と思うかもしれません。最近の研究で扁桃腺から悪さをするIgAが作られていることがわかってきました。悪さをするIgAが作られないように扁桃腺を取ってしまうというのが、この手術の目的です。

 

 

予後は

IgA腎症の予後は悪いといわれていますが、最近では予後が良くなってきているようです。

以前まで、日本とフランスのデータで、IgA腎症の20年経過は約40%が末期腎不全に進行するとされてきました。しかし、このデータは1990年代のデータです。ここ最近のデータについてはまだ詳しく出ていませんが、末期腎不全に移行する割合は減っていると思われます。

また、ステロイドパルス療法+扁桃腺摘出療法が実施されはじめたのも2000年に入ってからのため、20年経過という予後もまだ出されていないです。ステロイドパルス療法+扁桃腺摘出を実施した人の血尿・たんぱく尿は改善しているというデータもありますので、予後が良くなってきているのは間違いないです。

IgA腎症は、食事療法や薬物療法をすると、血尿、たんぱく尿が出なくなります。これは何を表すかというと、腎臓での炎症が収まったということです。つまり、完治したとは言えませんが、進行することを止めることはできるということです。

治らないといわれて、「悲しく」なっている方もいると思いますが、食事療法と薬物療法をしっかり行い、進行を食い止めましょう。

 

妊娠は

 

IgA腎症の方の妊娠については医師と相談して計画的に行っていくことになっています。

また、別記事に妊娠がわかったときのことをまとめてみましたので参考にして下さい。

>>IgA腎症の女性の妊娠がわかったら真っ先にすること

 

まとめ

いかがだったでしょうか。

IgA腎症についてまとめてみました。難病にも指定されており、治らない病気と言われていますが、最近は研究が進み予後が良くなってきています。

今後も最新情報に注意したいと思います。

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