雑記

ヒラメに寄生?クドア属粘液胞子虫の食中毒、症状、潜伏期間、予後、予防方法人への寄生等まとめ

最近、一時的な下痢やおう吐が見られて、すぐに回復する原因不明の食中毒が増加しています。今までは注目されることはありませんでしたが、症状があった事例を分析していくと原因となった食品にヒラメが挙がってきました。
注目される大きな事件として、2010年に愛媛県で養殖ヒラメを食べた534人のうち113人に一時的な下痢やおう吐が見られた集団食中毒事件でしょう。
分析が進められた結果ヒラメに寄生している「クドア属粘液胞子虫」が食中毒の原因と特定されました。今回はこのヒラメに寄生するクドア属粘液胞子虫食中毒についてまとめてみました。


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クドア属粘液胞子虫とは

クドア属粘液胞子虫は、粘液胞子虫等の原虫の研究者の工藤六三郎の名前から取られてつけられた粘液胞子虫です。

このうちヒラメに寄生するのは、クドア属粘液胞子虫の一種である「クドア・セプテンプンクタータ」という寄生虫です。この「クドア・セプテンプンクタータ」は2010年に報告された新種のクドア属粘液胞子虫で、画像をみていただければわかると思いますが、花びらのような特徴的な姿をしています。大きさは約10マイクロメートルで、ヒラメの筋肉の中に寄生します。
寄生したヒラメの筋肉をゼリー状にしてしまうジェリーミート(筋肉融解現象)を発生させます。これがヒラメの筋肉中でたくさん発生させるため、ヒラメの筋肉にはたくさんの白い斑点ができてしまい、ヒラメの商品価値を失わせることで問題になっています。

クドア属粘液胞子虫はヒラメに寄生する「クドア・セプテンプンクタータ」のほかに、スズメダイ科に寄生する奄美クドアも報告されており、こちらは食中毒は報告されていないものの、奄美地域で養殖するブリの筋肉に寄生して、ヒラメ同様でたくさんの斑点を発生させて、ブリの商品価値を失わせることでも注目されています。

 

人への寄生は

人への寄生はありません。クドアが人の体内へ入った場合には、成長することなく、死んでしまいます。
元々クドア属粘液胞子虫は、食べても人体への影響はないと考えられていました。しかし、研究が進みある一定量を超えると食中毒を引き起こすとされています。

 

食中毒の症状・潜伏期間

食中毒として報告された事例から、1千万個のクドアを摂取すると、嘔吐や下痢を発症するといわれています。

症状としては、一時的な嘔吐と下痢です。
クドアの潜伏期間は、食後2時間~20時間で、短い時間で症状が現れます。

また、この嘔吐や下痢は一時的なもので、症状は軽く、多くの人は24時間以内に回復します。

そのため、食中毒して挙がってきていないものも多く存在しているといわれています。ヒラメを食べてて吐いたり、下痢をした人はクドアが原因だったのかもしれません。

 

予後は

予後も良好で、後遺症や重症となった症例、死亡例の報告はありません。

2~20時間以内に嘔吐や下痢をして、24時間以内に回復してしまいますので、予後が悪いわけがありません。



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予防方法や対策は

 

調理での予防方法

クドアは他の食中毒の原因となる細菌やウイルス同様で、火を通したりや冷凍処理に弱いです。

火を通す場合

ヒラメ等に火を通す場合には、中心部の温度が75度で5分以上の加熱で、病原性がなくなります。

冷凍処理の場合

冷凍の場合には、-20度で4時間以上、-80度で2時間以上冷凍すると病原性がなくなります。

 

現実的な調理での予防方法

ヒラメは基本的に、刺身等の生で食べられることが多いため、上に書いたような予防法は現実的ではありません。
つまり、現時点では調理における予防方法はありません。
現在も加熱処理や冷凍処理以外の予防方法について研究が進められているところです。
吐いたり、下したりしたくなかったらヒラメの刺身は食べないのが一番の予防方法と言えます。

 

養殖場での予防対策

調理での予防が難しいのであれば、ヒラメの養殖時や仕入れ時の予防対策が大切です。
2013年と2014年に発生したクドアによる食中毒を追跡調査した結果、輸入養殖ヒラメ、国内産天然ヒラメ、国内養殖ヒラメのいずれからも、クドアが検出されています。
このようなことも踏まえて、国は養殖場に対して下のような予防対策を呼びかけています。
・クドアに寄生されていない稚魚の導入
・養殖歴等の管理
・養殖の清浄化
・出荷前のモニタリング
これらの予防対策の結果、ヒラメを原因とする食中毒は減少しています。

また、国はヒラメの筋肉中にクドアが100万以上を超える場合には法律違反とし、取り締まりを強めています。

 

まとめ

いかがだったでしょうか。
クドアの症状や予防方法等についてまとめてみました。
クドアについてはまだその生態系やどのようにヒラメに寄生しているか、どのようなメカニズムで嘔吐や下痢等の食空毒を発症させるか等わかっていないことが多いです。
今後も研究は続けられていくとは思いますが、ヒラメを食べるときにはしっかりと管理されたところで買って食べるようにしましょう。


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